費用の全体像
モーリシャスでの会社設立および維持にかかる費用は、ストラクチャーの種類、事業内容の複雑さ、選択する管理会社(management company)によって異なります。このページでは各費用項目を透明性をもって詳細に提示し、現実的な予算計画を立てられるようにします。
費用は次の2つのカテゴリーに分かれます。
- 設立費用(one-off):会社設立時に一度だけ支払うもの
- 年間経常費用:会社の事業継続、およびFSCとRegistrarの要件への適合を維持するために毎年支払うもの
ストラクチャー別の費用
Global Business Company(GBC)
| 費用項目 | 種類 | 金額(米ドル) |
|---|---|---|
| 設立費用 | One-off | 1,500~3,000 |
| デューデリジェンス/KYC費用 | One-off | 込み、または500~1,000 |
| 商号予約 | One-off | 50~100 |
| FSCライセンス(Global Business Licence) | 年間 | 500~1,500 |
| 管理会社 | 年間 | 1,500~3,500 |
| 居住取締役(最低2名) | 年間 | 込み、または500~1,500 |
| コーポレートセクレタリー業務 | 年間 | 込み、または300~800 |
| 会計・記帳 | 年間 | 1,000~2,500 |
| 年次監査(認可監査人) | 年間 | 1,000~3,000 |
| 登録事務所(本社所在地) | 年間 | 500~1,500 |
| 税務申告(Tax Return) | 年間 | 込み、または300~800 |
| 初年度合計 | 4,500~9,000以上 | |
| 翌年度以降合計 | 3,000~6,000以上 |
Authorised Company(AC)
| 費用項目 | 種類 | 金額(米ドル) |
|---|---|---|
| 設立費用 | One-off | 800~1,500 |
| デューデリジェンス/KYC費用 | One-off | 込み、または300~600 |
| 商号予約 | One-off | 50~100 |
| FSCライセンス(AC Licence) | 年間 | 250~500 |
| 登録エージェント | 年間 | 800~1,500 |
| 会計 | 年間 | 500~1,500 |
| 登録事務所 | 年間 | 300~800 |
| Annual Return | 年間 | 込み、または100~300 |
| 初年度合計 | 2,300~4,500以上 | |
| 翌年度以降合計 | 1,500~3,000以上 |
Protected Cell Company(PCC)
| 費用項目 | 種類 | 金額(米ドル) |
|---|---|---|
| PCC設立 | One-off | 3,000~6,000 |
| セル(cell)の新設 | セルごと | 1,000~2,000 |
| FSCライセンス | 年間 | 1,500~3,000 |
| 管理会社 | 年間 | 3,000~5,000 |
| ファンド管理業務 | 年間 | 2,000~5,000 |
| 年次監査 | 年間 | 2,000~5,000 |
| カストディアン | 年間 | 1,000~3,000 |
| 初年度合計 | 8,000~18,000以上 | |
| 翌年度以降合計 | 5,000~10,000以上 |
Variable Capital Company(VCC)
| 費用項目 | 種類 | 金額(米ドル) |
|---|---|---|
| VCC設立 | One-off | 3,000~6,000 |
| FSCライセンス(GBL+CIS) | 年間 | 1,500~3,000 |
| 管理会社 | 年間 | 2,000~4,000 |
| ファンド・アドミニストレーター | 年間 | 2,000~5,000 |
| カストディアン | 年間 | 1,000~3,000 |
| 年次監査 | 年間 | 2,000~5,000 |
| 初年度合計 | 8,000~18,000以上 | |
| 翌年度以降合計 | 5,000~10,000以上 |
費用の比較一覧
| ストラクチャー | 設立費用(米ドル) | 年間費用(米ドル) | 初年度合計(米ドル) |
|---|---|---|---|
| AC | 800~1,500 | 1,500~3,000 | 2,300~4,500 |
| GBC | 1,500~3,000 | 3,000~6,000 | 4,500~9,000 |
| PCC | 3,000~6,000 | 5,000~10,000 | 8,000~18,000 |
| VCC | 3,000~6,000 | 5,000~10,000 | 8,000~18,000 |
費用の変動要因
ストラクチャーの複雑さ
単純なストラクチャー(株主1名、単一事業):低い方の価格帯。複数株主、多層構造、または規制対象事業(ファンド、保険):追加費用を伴う高い方の価格帯。
事業活動量
休眠会社または活動が少ない会社:会計コストは最小限。取引件数の多い活発な会社:会計・監査費用がより高額に。
管理会社の選択
大手管理会社(ビッグ4系列):プレミアム料金。中規模の管理会社:コストパフォーマンスが良好。極端に安い提案には隠れた費用がないか注意が必要です。
規制対象事業
金融サービス、ファンド運用、保険:FSCの特定ライセンス、最低資本金、コンプライアンス責任者、強化された監査が必要となります。年間2,000~10,000米ドル以上の追加費用が発生します。
設立にかかる期間
| ストラクチャー | 設立+ライセンス取得 | 銀行口座開設 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| AC | 1~2週間 | 2~6週間 | 3~6週間 |
| GBC | 2~4週間 | 2~6週間 | 4~8週間 |
| PCC | 4~8週間 | 2~6週間 | 6~12週間 |
| VCC | 4~8週間 | 2~6週間 | 6~12週間 |
手続きを迅速化する要因
- KYC書類一式が完備されており、証明書類(3か月以内の住所証明など)が速やかに提出される
- 明確かつ整理されたビジネスプランと現実的な収支予測
- FSCとの良好な関係を持つ経験豊富な管理会社
- 標準的なストラクチャー(特定ライセンスを要する規制対象事業でないこと)
遅延の要因
- 書類の不備、不適合、または未認証
- リスクのある法域(制裁対象国またはグレーリスト掲載国)に所在する実質的受益者
- FSCの特別承認または追加ライセンスを必要とする事業内容
- ビジネスプランやストラクチャーに関するFSCからの追加質問
見落とされがちな隠れコスト
標準的な費用のほかに、初期予算で忘れられがちな費用があります。
- 書類の認証:パスポートや証明書類を認証するための公証人または弁護士費用(書類1点あたり50~200米ドル)
- 翻訳:書類が英語またはフランス語以外の言語である場合、認証翻訳が必要です(書類1点あたり100~500米ドル)
- アポスティーユ:一部の書類はハーグ条約に基づくアポスティーユ認証が必要です(書類1点あたり50~150米ドル)
- 銀行費用:初期預金(500~5,000米ドル)、口座維持手数料(月額20~100米ドル)、SWIFT送金手数料(送金1件あたり15~50米ドル)
- 法律相談:特定の案件や複雑なストラクチャーに関する弁護士報酬
- 税務相談:居住国における税務分析(適合性、CFC規制上の義務、申告義務など)
- 保険:専門職業賠償責任保険、役員賠償責任保険(D&O)
予算に関するアドバイス:予期しない費用(追加書類、処理期間の延長、銀行関連費用など)に備え、上記の目安に対して15~20%の余裕を見込んでおくことをお勧めします。現実的な予算を組むことで思わぬ事態を避けられます。実効税負担を試算するには、税務シミュレーターをご利用ください。
予算の最適化
- 最初から適切なストラクチャーを選ぶ:後からACをGBCへ転換する場合、最初からGBCで設立するよりも費用がかさみます(転換費用+4~8週間の期間を要する)
- KYC書類一式を完備して準備する:書類のやり取りが繰り返されると追加費用や遅延が発生します
- パッケージを交渉する:多くの管理会社が設立・ライセンス・登録事務所・運営管理を含む総合パッケージを提供しています。予算最適化についてはアウトソーシングサービスのページをご覧ください
- 複数の管理会社を比較する:同等のサービスであっても価格差が大きい(30~50%)場合があります
- 義務事項を先読みして対応する:監査済み決算書の提出遅延はFSCおよびRegistrarからの罰則を招きます
本ページに記載の金額は2026年時点の市場慣行に基づく概算であり、参考情報として提供するものです。実際の費用は管理会社、貴社のストラクチャーの複雑さ、規制関連費用の変動によって異なる場合があります。正確な予算のためには個別のお見積りをご依頼ください。